「どうすればよかったのか」と途方に暮れる様子を想像するのと裏腹に、「ずっと臭いものに蓋をしておいたくせに、都合が悪くなれば始末するのか」という心が冷えるような感情も抱えてしまうような事件。
元事務次官が引きこもりの長男を殺害した事件を知って、私は複雑な心境でいました。
この件に関しては、大きく分けてそんな二つの感情が揺れ動いていて上手く収めきれないように感じていたので記事にするかどうかは悩んでいたのですが。
昨日、部屋の片付けの休憩中に丁度えらてんさんの生放送の通知があって、関連のことを話していたのでこうして形にすることにしました。
えらてんさんは先日娘さんが生まれて、二児の父。
子を持つ親の立場から見れば、よりやるせない気持ちになる事件だったのだろうなと察することが出来ます。
そして、窓口はあっても実際に支援が働いていない現実についても。
本当にどうすればよかったのか、これからどうしていったらいいのか。
考えていかなければならないことですね。
やはり「臭いものに蓋」ではいけなかった
子供が健全な状況で育っていない時、公的・民間に関わらず相談窓口や支援が適切に機能していない現状というのもまずいですが、自由になるお金(カード)を与えて野放しというのもかなりよくなかったですね。
官僚のトップであるという立場上、世間体なども気にしていたのかも知れませんが、逆にそれだけ偉い立場の人ですら困った時に適切な対処が出来ないという問題を浮き彫りにさせてしまったように感じます。
えらてんさんの動画やそのチャットコメント、Twitterのツイートなどでも「相談しても話にならない」ような窓口の反応に対する不安や不満も聞かれ、困難を抱えた人や家庭が孤立してしまうのが現実なのだなと思わざるを得ません。
不登校に関しては相談しても誰も助けてくれませんでした
— 天野ジャック (@tokatakazu) June 4, 2019
健常児ならともかく、障害児には支援もなし
学校も対応もせずに放置していました
唯一の救いは病院の先生が不登校への理解があったことです
小児科、心療内科、精神科の先生すべてが不登校に理解があるとは限らないです
…こんな、おざなりなものでいいのでしょうか?
行政や世間は「一応やってますよ」という体で機関を作っておけば、そこがまともに働いていなくても「それでいいや」という感覚なのでしょうか。
川崎の事件の犯人にしたってそうで、幼少の頃からの問題行動を見ていれば、保護者の愛情や教育が不足して起こしているものだと見る人が見れば一目瞭然じゃないですか。
恐らく伯父一家が下手に裕福だったからそのまま放置されてしまったのでしょうが、小さい頃から施設などで育った方が、彼は犯罪にも手を染めず(そして今回のような犠牲も出ず)よっぽどマシな人生を送れたのではなかと思ってしまいます。
躾をしていない犬に人を噛むなといっても、理解できないのが当然なように、社会での生き方、人との接し方をきちんと教えて貰えなかった人間がまともに世の中を生きていける筈もないでしょう。
メディアも過剰に騒ぎすぎ
元事務次官の証言で「川崎殺傷事件の報道を見て、息子もそうなってしまうのではないかと危惧した」という旨の動機も聞かれましたが、加熱した報道や世間の声を聞くとそう危機感を抱いてしまうのも仕方ないのかなと思いました。
いくら数字が取れるからといっても、煽りすぎですよね。
被害者遺族や関係者のところに無配慮に突撃したり…
果ては犯人の部屋にTVやゲーム機があったとか、何それがあったとかでいちいちニュースにしたりしてさ。
馬鹿じゃないの?って思います。
正直、事件のニュースや関連報道はもっと淡々としていて欲しいです。
マスコミが煽るようなことをしなければ、世間こうまで大騒ぎしなかったのかな。
やるんだったらこういう事件が引き起こされるより前に何が出来たのか、体制は充分なのかとか、もっと建設的なことを考察したり専門家に聞いたり、ちゃんと社会のためになることをしてくれないかな。
本当、手遅れになるまで蓋をして無視してきたくせに、ネタになると思ったら大騒ぎで、あまりにも醜すぎ。
やらない善より…
川崎殺傷事件の際の動画では、えらてんさんは藤田さんの(「一人で死ね」は言ってはいけないという)主張に難色を示していましたが、それは流石にどうかと思いました。
生活保護云々についても、今回の件には関係ないですし…
犯人は住むところもあり、伯父にお金を貰って生活していた訳ですから。
元事務次官の件でライブされた時に「役所に電話しても『うーん、うーん』としか返ってこないし」ということや、相談や支援の体制が不充分であることも言及されているんですよね。
言ったのが藤田さんだったから反発したのかな、という部分はあります(笑)
私はこのケースに於いては誰が言ったかより言った内容について賛成したのですが、彼にとっては単なるポジショントークでしかないのかなと思ってもいました。
それでも、やらない善よりやる偽善だよなぁ的な。
こども食堂の件とは逆の立場ですね。
この発言が炎上!みたいな記事でも藤田さんを批判したり訝しんでいる人がいましたが、藤田さんご本人が今までしてきたことを鑑みれば、反発や不信を招いても自業自得だなとは思いました。
しかも、えらてんさんが自分の困っていることをほっとプラスにメールをしても、未だに返信がないそうです(笑)
そういうとこだぞ…
こういう人がいるから、リベラルとかいうラベルが貼られている人はイマイチ信用が出来ないんですよね。
change.orgで子供のフリをして署名を集めたり、平気で嘘をついたりする人もいますし。
胡散臭い、信用できないところには相談なんてできないですよ。
相談しても返事が来ないかも知れませんが(笑)
普段の姿勢って大事ですね。
やっぱり手の届く範囲だけでも自分がなんとか出来ないかなぁと、クラファンのプロジェクトを広める術に頭を痛めながら悩んでしまうのでした。