やたら「会社はオワコン、起業しろ」みたいな論調の人を見掛けますが、起業ってそんな簡単なものでもないと思うんですよね。
(というか、オワコンとか聞く度に会社って「コンテンツを扱う」ことはあっても会社自体がコンテンツではなくない?と思っていたりなどもしたのですが)
大体起業って、既存の会社に属している枠内では出来ないことを自分で始めるとか、会社で働くこと自体がどうしても合わない人がやるものなんじゃないかなぁと。
要は起業自体が目的ではなく、そういった「必要性があるから」起業するという訳です。
だから「起業したいけど何をしたらいいか分からない」とか「どうしたらいいですか?」なんて聞くのは本末転倒じゃないかと…
と、丁度えらてんさんが起業する方法的なタイトルの動画を上げていたので、改めて考えた次第であります。
開始後即答えが出ている。簡潔。
自分で考えることが出来なければ、やっていけない
「自分で考えろ」
この一言は、ぱっと見突き放しているようにも感じられるかも知れません。
でも、実に的を射ているのです。
というのも起業って、全てを自分で考えて、自分で決めていかなければならないものですから。
企業や組織に属しているのとは違い、指示を出してくれる人もいませんし、自分に割り当てられた仕事以外の作業や事務処理なんかをしてくれる人もいません。
ある程度の利益が出るのなら、自分が面倒なことや苦手なことはお金を払って他の人にやって貰う(人を雇ったり外注する)ことも出来ますが、そうでなければ基本的に自分ひとりのフィールドです。
一人乗りの船みたいなものです。
自ら考えて判断し、舵をきっていかなければ目的地には着けません。
或いは、未開の土地にやって来た開拓者です。
たとえ小さくとも手付かずの土地を前に、自ら耕して石ころを取り除いたりして土壌を整え、自分だけの畑を作っていくというイメージ。
そこで作物を育てようとしても、上手く根付いてくれるか、無事に育ってくれるかは分からないのです。
それでも立派なものが収穫できるように、自分の力だけで目指さなければならない。
とても大変なことです。
そういった生き方が向いている人もいるかも知れませんが、万人がそうとは限りません。
誰かに自分の仕事やすることを決めて貰った方が働き易い、生き易いという人も少なくないのですから。
なんだかんだ言っても、正社員って強いですよ。
一定のお金が貰えて、保証などの手続きも他の人がやってくれている。
だからこその安定と、社会的な評価が付いてくる訳ですね。
ブラックなところは論外ですが、ちゃんとした企業でまともに働くことが出来る人なら、変に横へ手を伸ばす必要もなくそのままで最強なんじゃないでしょうか。
私は生憎、そういう真っ当な生き方が出来なかったので、自分でなんとかするしかないのですが…
正直羨ましいですよね、ちゃんと枠組みの中で働けて社会的立場も保障されるなんて。
甘い言葉には要注意
そんな訳でメリットばかり、成功者の事例ばかりを掲示して起業を煽るような人に遭遇しても、ちょっと立ち止まって考えた方がいいとお伝えしたいです。
自分にそのやり方が向いているのか、どんな生き方や働き方が向いているのか。
みんな違います。
それぞれに得意なことと苦手なことがあって、補い合って社会が動いている訳ですからね。
それに、いいことばかり喧伝して他人にそれをさせようという人には、その場では言わない影の目的があることも多いです。
何も善意で言っている訳ではないのです。
起業しろ!というなら、起業に関する商材を売ったり、起業する時に必要な手続きを代行する人に繋いだりすることで、自分に利益が入ってくるとかね。
その辺りを考えると、デメリットは教えないで都合のいいことばかり言っている人は無責任だなとしか思えなくなります…
自分が儲かれば、それを勧めた人がどうなっても構わないのでしょう。
こんなことをしている人の話が信用できるかというと、どうでしょうね?
それに、起業で成功しているなら声高にそれを勧めなくても、成功した自分の姿や働いている様子をつぶさに見せた方が、よっぽど正しく情報が伝わり易いと思うのですが。
短い動画の中にも、ヒントがある
それでも自分は会社勤めに向いていない、何かで起業しなければと思っているけれどどうすればいいのか…と思っている方。
冒頭のえらてんさんの動画には、10分ちょいの間でさらっと喋っているように見えて、結構ヒントになることが言われている部分があります。
やっぱり「しょぼい起業で生きていく」を出版されただけあって、こういうヒントは出し惜しみしないんだなぁと。
えらてんさんの、こういう大事なことを出し惜しみしないところ、お金を取らないで見聞きできる場所で話してくれるところやっぱり好きだし有り難いなぁと思います。
周りの人の益になる知識を提供して、自分にもその恩恵が巡ってくるのをご存知だなといいますか。
で、動画内で何度も繰り返されてますが、そのさらっと重要なことを踏まえて「自分で考えろ」という感じですね。
何回か出てくるフレーズも、役に立つかも知れません。
工務店やホームセンターにドリルを買いにくる人が本当に欲しいのは穴である、とかそういう方向にも通じますよね。
子供を抱えて生活に困っていたシングルマザーが「ハリー・ポッターシリーズ」を書いて大ヒットを打ち出したように、その人ならではの何かがあり、それを必要としてくれる人がいるかどうか。
その辺りが、ポイントになってくるのだと考えています。